角膜ヘルペス
『角膜ヘルペス』とは”ヘルペスウイルス”への感染が原因となり、「目の痛み」「黒目の周りの充血」「涙が多い」などといった症状が出てきます。”ヘルペスウイルス”には特徴があり、通常のウイルスのように感染してすぐに発症するのではなく、何年何十年と潜伏期間を経て発症します。全体の約90%の人は感染していると言われており、ウイルス自体は目の奥にある三叉神経節に潜伏していますが、ほとんどが発症することもなく、その存在にも気づかないままです。
免疫力が衰えているときは特に注意が必要です。発症するタイミングは『心身に疲れがたまった時』や『発熱時』など免疫力が低下した時です。つまり平常通り体調が良好であれば何の心配もいりません。ですが、”ヘルペスウイルス”は一度治ったあとも、潜伏を続けているため、しばしば再発が確認されています。都度適切な治療を受ける必要があります。そして『角膜ヘルペス』には「上皮型」と「実質型」の二通りあります。
●上皮型
『上皮型』は角膜の一番外側にある上皮部分に感染・増殖しておこります。感染部位は潰瘍を起こし、その形から別名『樹枝状角膜炎』とも名付けられています。痛みや異物感のほかに軽い視力低下を引き起こします。一般的な治療法は抗ウイルス薬の軟膏で行います。
●実質型
『実質型』は上皮の下にある実質層が感染して炎症を起こします。感染部位が円状に拡大していくことから『円板状角膜炎』と言われています。『上皮型』よりも視力の低下が顕著で、回復までに数カ月かかります。抗ウイルス薬に加え消炎薬で治療しますが、瘢痕(はんこん)が消えずに視力が戻らないこともあります。
●定期検診で再発を予防
定期検診で再発を予防 『角膜ヘルペス』は感染すると完全に撲滅することは不可能です。一度発症すると再発する確率が高い眼病であり、症状が悪化すると移植手術を行う可能性も出てきます。そのため、疾患経験のある方は定期健診を受け、目の健康状態を常に把握しておきましょう。また、健康状態を維持していれば、予防することができるのでストレスや疲労の解消も積極的に行っていくことをおすすめします。